消化器系疾患語句

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     ヘリコバクター・ピロリ(helicobacter pylori)

     感染後、胃内に長期間存在する。胃潰瘍十二指腸潰瘍胃ガン、胃リンパ腫などの発生と深く関与する。

     日本人の胃に存在するヘリコバクター・ピロリ菌は、すべてが強毒株と考えられています。この事は日本人の

     胃の疾患が欧米人に比べて多い原因となっている可能性があるという考えに示唆を与えています。その他、
  
     様々な病原因子が推測されていますが、疾患の発生や病態との関係を臨床的に証明できていません。

     ヘリコバクター・ピロリは1x4μm大のらせん状、あるいはS字状の微好気性グラム陰性菌で、片側に

     4〜6本の鞭毛をもつ感染経路の不明で、活発な運動性細菌です。経口感染は明確ですが、環境、食品など

     からは検出されず、糞口感染も考えにくい。乳幼児の唾液などからの口口感染が推測されています。

     侵入後、鞭毛を使い中性環境の粘膜層の深層に進み、胃粘膜上皮細胞に接着すると考えられています。

     現況では、ヘリコバクター・ピロリ菌は抗生物質で除菌治療が可能と、考えられており十二指腸潰瘍など

     消化性潰瘍の治療ではまず最初に除菌治療が選択されています。
胃過形成ポリープも除菌治療で消失する

     という報告があります。*
胃過形成ポリープ;良性の過形成変化に伴って胃にポリープが発生する。

     ただ、懸念されている事もあります。それは除菌治療をした人の3人に1人は何らかの形で副作用が現れる事、

     (下痢、軟便、味覚異常、舌炎、口内炎、腹痛、便秘、頭痛、めまい、肝機能障害など)、逆流性食道炎になる

     事、夫々の副作用には発生確率には差が勿論あります。ですが一番の心配事は耐性菌の出現です。この耐性菌

     の問題に関しては、保険適用問題を含め、これからの最大の懸案事項となるのではないかと思われます。耐性

     菌は対抗生物質及び対抗原虫薬、夫々心配されています。除菌治療の処方はプロトンポンプ阻害薬(PPI)

     、抗生物質、抗原虫薬を同時処方が主流で、プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を抑え強酸の胃の中で抗生物

     質、抗原虫薬の薬効を阻害されないように処方されます。

     抗生物質、抗原虫薬による除菌以外にも、ワクチンの開発も各国で進められております。遺伝子治療も研究さ

     れております。


     ヘリコバクター・ピロリ菌はウレアーゼ活性といい、(尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成する作用

     )胃液に含まれる尿素を分解してアンモニアを絶えず生成するためその部分の胃粘膜はアンモニアの刺激を受

     けて爛れます。そしてヘリコバクター・ピロリ菌は空胞化毒素という胃粘膜の細胞を空胞化させ、死滅させる毒

     素を作り出し、生体は免疫機能が働くために粘膜に炎症を起こします。その結果、活性酸素が出来、ウレアー

     ゼ活性で生成したアンモニアと反応して作られたモノクロラミンが更に細胞を障害します。ヘリコバクター・

     ピロリ菌の存在が様々な障害を引き起こします。


     
ヘリコバクター・ピロリ菌の毒性

     ヘリコバクター・ピロリ菌は毒性の弱いものと強いものがあり、毒性の弱いものに感染した場合、慢性表層性

     胃炎を起こしますが殆ど自覚症状などはありません。毒性の強いものに感染した場合は萎縮性胃炎を起こしや

     すいものや(腸上皮化生を参照して下さい)、潰瘍を起こしやすい菌などがありその種類によって、感染後の

     罹患する病気も変わります。(日本人の胃に存在するヘリコバクター・ピロリ菌は、すべてが強毒株と考えら

     れています。)


     ヘリコバクター・ピロリ菌と慢性胃炎

     ヘリコバクター・ピロリ菌に初感染しても、定着が持続して慢性胃炎に移行する人は約半数で、残りは人の

     免疫反応で排除されると推測されています。猿を用いた感染実験でヘリコバクター・ピロリ菌接種後、1ヶ月

     過ぎると慢性活動性胃炎と呼ばれる状態になります。この時期は感染初期に観察された、出血、浮腫、糜爛は

     消失して、内視鏡所見は軽微となりますが、慢性胃炎状態は長期に持続すると、特に日本人では腸上皮化生

     ともなう、萎縮性胃炎に移行するのが一般的です。


     
ヘリコバクター・ピロリ菌と胃潰瘍、十二指腸潰瘍

     除菌治療による胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発が抑制できる事は、1980年代後半に証明されています。これは
 
     ヘリコバクター・ピロリ菌が、消化性潰瘍にかかわりが深い事を物語っています。


     
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無の検査(保険は適用されません。)

     スクリーニング;感染の有無を調べる篩い分け(@血清学的診断→簡便キットも開発されておりますA尿素呼気試験)

     確定診断;確定診断や治療法を決める検査(@迅速ウレアーゼ試験A培養法B病理組織学検査)


     
ヘリコバクター・ピロリ菌の遺伝子治療例

     ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療は菌が薬に対して耐性を獲得し、除菌率が年々低下している現状がある。

     そのため除菌に失敗続きの患者が、某H医大病院で個人の遺伝子情報を基に治療するオーダーメイド医療(テ

     ーラーメイド医療)を受け、患者に負荷の極めて少ない結果での治療に成功した。「新しい薬が開発されるま

     で待つしかない」といわれてあきらめかけていたのが、胃の痛みも一切ない形で治療を終了した。この方法は

     厚生労働省から混合診療が認められる「先進医療」として認定を受けた。患者の胃粘膜を内視鏡を使って採取

     し、患者の細胞とピロリ菌を遺伝子検査して患者の体質を調べた上で菌の耐性や薬の代謝速度の違いに応じて

     投与量、回数を変えるもので、現時点では症例は少ないものの、今まで除菌効果が無かった患者の100%の

     治療が成功しているという。(現時点での保険診療は適用されません。)


     ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)

     胆道が胆石、ガン、炎症などで狭くなり胆汁の流れが阻害されたり、膵臓にガンや炎症があると膵管に異常や

     胆管圧迫のために胆汁の流れが阻害されます。胆道系や膵臓系に異常を示す酵素が認められる場合は、超音波や

     CTによる検査を行いますが、胆管、膵管など細かい部分の変化は造影剤使用によるエックス線写真を撮る必要

     が有りますが、その様な時にはERCPが威力を発揮します。検査をしながら胆汁や膵液などのサンプルも同時

     採取でき細胞検査もできます。十二指腸からヨード造影剤を注入して胆管、膵管をx線やモニタリングします。

     ただし、当検査は、咽頭麻酔する必要があるために、まれにキシロカインショックなどの危険性を伴います。

     同時に、造影剤によるショックにも注意が必要になります。内視鏡検査のため、十二指腸通過の際には、十二

     指腸を損傷したという事例もあります。

  
     
クローン病

     わが国には比較的少ない発症率の疾患ですが、臨床症状は病変部位、範囲により大きく異なります。軽度の下痢

     、腸管の狭窄、癒着、穿孔、発熱、栄養障害、貧血、関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身合併症(例;結節性

     紅斑、壊死性膿皮症、口内炎、脊椎炎、ぶどう膜炎、角膜病変、胆管周囲炎、脂肪肝など)が確認されます

     病変部位は口から.まであらゆるところに起こり得ます。小腸側、大腸側にまたがる事が多く、飛び飛びの非

     連続性です。病変部所属リンパ節にも及びます。.部では周囲膿瘍、裂肛、ろう孔も確認されます。

     腹痛、下痢、やせが三主徴です。わが国の患者数は増加傾向でその80%は10歳代後半〜20歳代の男性で

     す。原因は解明されておりませんが、自己免疫疾患と考えられています。クローン病は再燃と緩解を繰り返す

     厄介な慢性の病気です。薬物療法や外科的手術(腸から大量出血、狭窄が過度、ろう孔の周囲に膿が溜まって

     いる、腸が破れるなどの場合)が行われます。その他普通食を摂ると炎症が悪化する場合もあり、絶食後、栄

     養療法として完全経腸栄養療法、完全静脈栄養療法などで栄養状態を改善し糜爛や潰瘍の改善を狙います。患

     者さんの80%が栄養療法で緩解にまで回復するとされています。この状態の場合は自宅療法も可能になりま

     す。自宅では自己挿管法による経腸栄養療法と食事療法が併用されます。


     一般的には大量出血は多くなく、若年者に多い疾患で、痔疾患が高頻度に確認され、腹痛、下痢、体重減少が

     主症状となる。


     
クローン病で避けたい食品

    
  
主食 食パン、揚げパン、ライ麦パン、玄米、ラーメン、
おかず等 ハム、ソーセージ、ベーコン、牛肉、豚肉、ヘット、ラード、
牛乳、チーズ、生クリーム、バター、マーガリン、
塩干物、イカ、タコ、オイルサーディンなどの油漬け缶詰、
おから、油揚げ、生揚げ、大豆、小豆、うずら豆、切干大根、
サツマイモ、セロリ、牛蒡、レンコン、タケノコ、フキ、山菜類、
トウモロコシ、うど、ミョウガ、モヤシ、
アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、
ノリ、昆布、佃煮、
香辛料、ドレッシング、マヨネーズ、すりごま、
フルーツ、嗜好品 バナナ、イチゴ、梨、柿、レモン、パイナップル、キウイフルーツ、
ケーキ類、スナック菓子、チョコレート、あんこ類、アイスクリーム、
豆菓子、クッキー、おかき、コーヒー、ココア、アルコール、炭酸飲料、


     ポリポーシス

     遺伝性、非遺伝性、腫瘍性(腺腫性)、非腫瘍性などに分類され、大腸に発生するポリープが100個以上あれ

     ば大腸ポリポーシスと定義します。大腸はポリープが最も発生し易い部位で、同時あるいは異時に多発します。

     大腸腺腫症は家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)とも呼ばれますが、家族性が明らかとは限らず、

     遺伝子の変異で起こり、優性遺伝し、そのポリープの個数は5000個を超えるもの(粘膜が見えないほど

     多発する密在型)から、1000個以下程度(非密在型)のものもあります。放置すれば大腸癌を合併し、

     初老期までには90%が大腸癌に罹患すると言われています。


     側副血行路

     門脈圧亢進により、食道静脈瘤の形成、腹壁静脈の怒張、高アンモニア血症をきたします。


     腸上皮化生

     
萎縮性胃炎の進行に伴って認められる、腸型上皮細胞の形態をとる腸上皮化生が発生します。腸上皮化生にな

     ると胃癌になり易くなることが知られております。ピロリ菌に感染して胃粘膜に炎症が持続しますと、胃粘膜

     に徐々に萎縮が確認できるようになり、10〜20年の経過で萎縮の部分が腸上皮化生へと変性すると考えら

     れております。欧米では腸上皮化生は前癌状態と見なしており、実際WHOでも1994年に胃癌の危険因子

     としてピロリ菌を認知しております。ただし、腸上皮化生の変性した場合でも癌化するのはその一部といわれ

     ており、全てが癌化するわけではありません。萎縮性胃炎の多い日本人には腸上皮化生も多く確認でき、50

     歳以上の人の50〜60%に確認されるといわれております。


     
ウレアーゼ活性

     尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成する作用で、胃液に含まれる尿素を分解し、アンモニアを

     生成することでヘリコバクター・ピロリ菌はアルカリ環境を作ることによって強酸性の胃の中で自分の生存

     環境を作り出している。



     集学的治療

     癌の治療はその専門分野ごとにその学域ごとの知識が求められる事がありますが、それらの複数の専門情報や

     技術、知識などを持ち寄り実践される治療を集学的治療といいます。例えば、外科療法、放射線療法、ホルモ

     ン療法、化学療法、免疫療法、温熱療法、病理学検査など最善と考えられる治療方法を決定してゆきます。


     外科療法

     癌の原発巣、転移巣を含めた部位を一括切除する治療法が外科療法(手術療法)といいます。癌の治癒的治療

     法(根治的治療法)として知られる方法です。治癒手術(完治の可能性が高い)、非治癒手術(全部とりきれ

     なかったと判断しなければならない手術)、拡大手術(出来るだけ広い範囲を切除し再発防止)、縮小手術

     (切除する範囲を出来るだけ最小限にとどめる)、その他機能温存手術(できるだけ臓器の機能を残す方向の

     手術)、補助療法(外科治療の効果をより完全にするために行う療法/放射線療法、化学療法、ホルモン療法、

     免疫療法など)、再建手術(切除した臓器や器管を新たに作り直す治療)などがあります。


     放射線療法

     放射線を照射し癌細胞を分裂できなくして増殖を抑えることを目的とした療法です。正常な細胞もこの放射線

     で障害を受けますがその範囲を出来るだけ極限して効果を得るための機器が研究開発されております。


     温熱療法

     癌細胞は42℃では死滅しませんが、42.5℃〜43℃以上に加温する事により急激に死滅すると考えられ

     ております。(細胞が分裂する時の遺伝子の合成を促がすDNA合成酵素の変性、細胞膜の損傷などがその理

     由と考えられている)

     温熱療法は局所加温法(電磁波を用いて患部をはさむ誘電加温法、温水を利用する方法がある/温水を利用する

     方法は早期膀胱ガンに用いられが効果は表面の癌にしかなく、進行癌にはあまり効果が無いといわれます。)

     と全身加温法(全身に広範囲に転移している場合で全身麻酔、5時間以上掛かるなどの問題点もあるため、実

     施施設は限られる)があります。


     化学療法

     抗癌剤は静脈に注射するか、経口剤で内服する事により血中濃度が高まり全身に運ばれます。全身に効果を求

     める場合は化学療法は選択されますが、副作用などの問題があります。化学療法の役割としては術前・術後の

     補助的なもの全身的な癌の治療(白血病など)や進行癌にも使用されます。抗癌剤はその種類により一定の比

     率で効果が認められる癌が有り、それぞれ特性があります。注意する点は最初の治療で癌細胞の徹底的な消失

     を図ることで、最初を失敗しますと治癒率が下がると考えられております。その他延命目的、分化誘導法(脱

     分化した癌細胞を再度分化させて正常細胞にしようとするもの/脱分化は未熟細胞から分化成熟し機能を果たし

     て死んでゆく途中の段階で脱分化して分化が止まる事;例/白血病細胞)、腹腔内化学療法などがあります。抗

     癌剤は癌細胞を破壊するだけではなく、正常細胞も損傷させてしまいますが、現状では正常細胞に作用させな

     いような選択毒性のものは無く、副作用は避けられません。従いまして、現状、副作用を治療するという考え

     方になります。


     免疫療法

     外部から体内に侵入した異物を攻撃し、生体を守る働きを免疫といいますが、体内に癌細胞が出来ると抗原に

     対して様々な防御機構が働きます。現在おこなわれている免疫療法は基本的に免疫力を高めて抗原に対する攻

     撃力を強くする目的の物です。免疫賦活剤は免疫力を高めるために開発されたものです(植物多糖類である

     きのこ類からの抽出物質など)。免疫賦活剤の投与により免疫の役割を果たす細胞など(マクロファージ、キ

     ラーT細胞、活性化したキラー細胞LAK、ナチュラルキラー細胞など)が活性化され、活性を促がし、癌細

     胞の増殖を抑制するサイトカインが分泌される事を促がします。


     骨髄移植(造血幹細胞移植)

     癌の化学療法で問題になるのは白血球や血小板が減少する(骨髄毒性)ことですが、正常細胞まで障害される

     ために起きる弊害です。そのため癌の治療が制限されることになりますが、このことを防ぐために骨髄移植が

     考えられました。抗癌剤の投与や放射線の全身照射などで骨髄の癌細胞も破壊しますので、健常な人の幹細胞

     を移植して生命を保ちます。注入された幹細胞は体内を巡って骨髄に定着増殖し正常な血球を作る能力を回復

     します。骨髄ドナーは患者と出来るだけリンパ球の型の近い人を見つけることが重要ですが、この適合ドナー

     は兄弟で1/4、血縁のない他人では何百万分の1という確率になります。

     
     遺伝子療法

     遺伝子の異常によって細胞増殖の過程に異常が生じるために癌化するという考え方があります。これらは癌遺

     伝子と呼ばれていますが、癌を発生させる遺伝子という意味合いではありません。本来正常な細胞であるこの

     遺伝子は、異常が起こると細胞は無秩序な増殖を起こしてしまい、癌化にまで至ってしまうという考え方です

     その一方で癌抑制遺伝子は癌遺伝子と対極にある遺伝子で細胞の増殖を抑えます。この遺伝子に異常が起きる

     と今度は抑制する働きが抑えられて、異常な増殖を起こしてしまいやはり癌化してしまいます。遺伝子療法は

     遺伝子の細胞への導入の効率が悪いための問題点があるといえます。遺伝子はベクターと呼ばれるウィルスな

     ど(HSV-tk.MDR1.p53.GM-CSFなど)が試みられております。遺伝子治療はまだ、これからの技術ですが理論上

     優れた療法と期待されております。遺伝子治療にはアポトーシス誘導、骨髄保護療法、免疫遺伝子療法、自殺

     遺伝子療法などがあります。


     ホルモン療法(内分泌療法)

     特定の癌細胞でホルモンを必要とするものがあります。その特定のホルモンを分泌する内蔵を取り除いたり、

     その特定ホルモンと反対の働きをするホルモンを投与して癌細胞の発育を阻止する狙いのものです。この方法

     では特定臓器の癌細胞をターゲットとしますので正常細胞には影響を与え難い利点があります。ですがこの療

     法は癌細胞を死滅させるのではなく、発育の阻止、コントロールですから治療は長期間になります。


     
ホルモン

    
 内分泌系は神経系や免疫系と並んで瀬に体の調節、統御や恒常性(ホメオスタシス)を維持する主要なシステ

     ムです。内分泌は血液(体内循環)に物質が分泌される。これに対し外分泌とは身体の外部、又は身体の外部

     に繋がる体腔に物質が放出されるものです。内分泌を行う細胞は内分泌細胞と呼ばれ、ホルモンは内分泌細胞

     から分泌されるものです。内分泌細胞は集合して内分泌腺を形成するものや、上皮細胞などの中に散在するも

     のもあります。これらは内分泌器官と呼びます。視床下部下垂体甲状腺副甲状腺副腎膵臓卵巣

     .は良く知られておりますが心臓、血管、消化管、腎臓肝臓、胎盤、脂肪組織などでも産生されておりま

     す。更に傍分泌(血中に分泌されずに細胞間隙に入って近傍の標的細胞に作用する)自己分泌(分泌細胞自身

     が自己分泌物に影響を受けるもの)、神経分泌(神経シナプスにおける刺激伝達に類似した分泌作用形式を営

     む)などもホルモンに含める事が多いです。ホルモンには4っの主要な作用があります。(生殖作用、成長と

     発生、内部環境の維持、エネルギーの生成・利用・貯蔵)

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副腎皮質ホルモン放
出ホルモン
下垂体から副腎皮質ホルモン
の分泌を促がす
間脳にある自律神経系、内分泌系の中枢器
官で下垂体に働きかける重要なホルモンを
分泌している。間脳はストレスの影響を受
け易い

成長ホルモン放出ホ
ルモン
下垂体から成長ホルモンの分
泌を促がす
甲状腺刺激ホルモン
放出ホルモン
下垂体から甲状腺刺激ホルモ
ンの分泌を促がす
黄体形成ホルモン放
出ホルモン
下垂体から.刺激ホルモン
の分泌を促がす
視床下部症候群
視床下部病変によって発症する。視床下部
は内分泌系、自律神経系の調節、摂食や飲
水の調節、体温の調節などの機能を司る器
官。病変は腫瘍、炎症、細胞浸潤、外傷、
自己免疫などでその症候は原因よりも病変
の部位、大きさ、進行速度により規定され
る。

下垂体前葉機能異常
視床下部の障害により視床下部ホルモンの
分泌が低下と下垂体前葉ホルモンの分泌は
阻害される。中でも成長ホルモン(GH)の
低下→骨粗鬆症、成人は高脂血症、発育障
害、貧血、精神活動低下など・やゴナドト
ロピン(LH、FSH)の分泌障害→無月経、不
妊、.低下が多い。
一方、プロラクチン(PRL)は視床下部の障
害で分泌が増加する事がある。→分泌亢進
により乳汁漏出、無月経

下垂体後葉機能異常
視床下部障害によりバソプレシン分泌低下
により多飲や多尿が主徴の中枢性尿崩症を
発症する。3000ml/dayを上回る尿量
で高ナトリウム血症を伴う事もある。
バソプレシンの分泌が異状増加した場合は
低ナトリウム血症を発症し高度なら全身倦
怠感や意識消失ともなる。
















成長ホルモン
(GH)
身体の成長を促がす 成長ホルモン分泌過剰・巨人症、
末端肥大症
/高身長、手足や鼻、顎、眉弓
などが突出

成長ホルモン分泌不全/低身長、成長の遅れ、
歯の発育不全など

甲状腺刺激ホルモ
TSH

甲状腺から甲状腺
ホルモンの分泌を
促がす



甲状腺機能検査
甲状腺刺激ホルモ
ン(TSH)、遊離チ
ロキシン(FT4)、
遊離トリヨードチ
ロニン(FT3)、を
測定する。

甲状腺機能亢進症
はFT4、FT3が上昇
し、TSHが低下す
る。

原発性甲状腺機能
低下症はFT4、FT3
が低下し、TSHは上
昇する。

潜在性の場合は
TSHのみが異状とな
る。

下垂体や視床下部
による機能異常が
疑われる時は下垂
体ホルモン検査や
TRH試験を追加する



甲状腺疾患は自己
免疫の関与が多く、
バセドウ病の90
%以上の症例TSH
受容体(TRAb)が
陽性となる。
甲状腺機能亢進症/頻脈、
動悸、痩せ、発汗過多など

甲状腺機能亢進症は原因の如
何に関わらず甲状腺における
ホルモン(T3T4)産生が亢
進し血中に増加する。 病態

の90%以上はバセドウ病


甲状腺機能亢進症
(hyperthyroidism)
バセドウ病(グレーブス病)/自己免疫病
を背景に産生される。TSH受容体抗体の刺
激により生じる甲状腺機能亢進症@良性の
自己免疫疾患A甲状腺ホルモンの産生過剰
B自己抗体による甲状腺刺激C遺伝病(同
一家系内に多発する)D女性に好発(男
:女=1:5〜10)E成人における有病
率0、8人/1000人

バセドウ病という自己免疫病ではTSH受容
体を標的とする自己抗体(TSH受容体抗体
;TRAb)が産生されてこの抗体がTSHに代
わって、甲状腺を刺激し続ける。(普通受
容体に対する自己抗体が出来るとホルモン
や化学物質の作用はブロックされる)。バ
セドウ病はT3、T4は血中で上昇し、その結
果TSHは低下しているが甲状腺を刺激する
TRAbの作用を抑制する機構が無い状態(ホ
メオスタシスの壊れた状態)である。自己
抗体が陽性であっても症状に出るまでには
通常の自己免疫病は時間が掛かるが、バセ
ドウ病は自己抗体(TRAb)は甲状腺機能亢
進症という病態を全身に引き起こす。これ
は甲状腺ホルモンの作用が全身を標的にし
ていることによる。
甲状腺機能亢進症/頻脈、
動悸、痩せ、発汗過多など


甲状腺中毒症
甲状腺機能亢進を伴う甲状腺中毒症

甲状腺機能亢進を伴う甲状腺機能亢進症
バセドウ病;異状甲状腺刺激物質TRAb
甲状腺を刺激し、甲状腺機能亢進症にな
る。
TSH産生腫瘍/血中遊離甲状腺ホルモンに
比べてTSHが高値になるものをSITSH
(syndrome of inappropriate TSH secretion;不適切TSH分泌症候群)とい
い@TSH産生下垂体腫瘍・Aそうでない
ものに分けられる。
@は通常軽い甲状腺機能亢進症と小さい甲
状腺腫を示し、時に無月経をともなう。
バセドウ病に伴う眼症状は無い。A下垂体
腫瘍で無いもので非腫瘍性の下垂体からの
TSH過剰分泌は下垂体性の甲状腺ホルモン
不応症である。
@とAの鑑別は特に難しい。
胞状奇胎、悪性絨毛上皮腫/hCGの異状増
加hCGは甲状腺を刺激し甲状腺機能亢進症
を引き起こす。甲状腺腫を作り甲状腺ヨ
ード摂取率を増加させ血中T3T4を増加
させるため血中TSHを抑制する。

甲状腺の自律的甲状腺過剰合成・分泌に
よる甲状腺機能亢進症
プランマー病/単結節.性中毒性甲状
腺腫甲状腺単結節の自律性甲状腺ホルモ
ン合成・分泌過剰による甲状腺機能亢進
症・甲状腺中毒症で甲状腺機能亢進症の
0、3%と少ない。
その他/中毒性多結節性甲状腺腫、遺伝子
異常による甲状腺機能亢進症などがある。

補足 甲状腺機能亢進を伴わない甲状腺中毒症

甲状腺の破壊
亜急性甲状腺炎/甲状腺の炎症により組織
の破壊と一部又は全部の甲状腺腫脹を起こ
し亜急性の経過をとる。
ウィルスが原因
慢性甲状腺炎(橋本病)/急性期にも甲状
腺の破壊が起こり、血中に甲状腺ホルモン
が流れ出し、一過性の甲状腺中毒症になる
ことがある。症状が強ければβ遮断薬で症
状を抑える。

無痛性甲状腺炎/甲状腺ヨード摂取率低値
の甲状腺中毒症発熱、疼痛、赤沈亢進など
の亜急性甲状腺炎の炎症所見が見られない
。発症は急速で、甲状腺破壊による甲状腺
ホルモン流出により甲状腺中毒症になるが
、経過と共にホルモン濃度は減少し甲状腺
機能低下症になる。甲状腺機能はやがて
自然に回復する。


分娩後甲状腺炎(クッシング症候群術後甲状腺機能異常症) /クッシング症候群中は
甲状腺機能は安定しているが分娩後、クッ
シング症候群術後に一過性中毒症になるこ
とがある。
甲状腺機能亢進症の極端な
増悪
甲状腺クリーゼ/甲状腺機能亢進症が極端
に増悪し急激に高熱、頻脈、流れるような
汗、下痢、精神不安が出てきたものをいい
、やがて意識消失に至る。手術、感染、
糖尿病性昏睡などが誘因となる。早期発見
、早期治療が重要で、治療が適切でないと
死に至る。まれな疾患であるが年齢層、季
節を問わず女性に多い。
病因はバセドウ
病が最も多い。


甲状腺クリーゼ5大症状/(高熱、頻脈
、流れるような汗、下痢、精神不安)
全症状が認められるのではなく、2つ以
上あればクリーゼを考える。甲状腺クリ
ーゼでは頻回の下痢が1〜2日間あり、
次いで著しい頻脈が加わり、最後に発熱、
著しい発汗、循環不全に陥る。
これらの症
状はどの様な組み合わせでも発現する。


甲状腺クリーゼの誘因/甲状腺手術の術後
に良く起こったが近年はすくない。その他
の手術、抜歯、外傷、肺炎などの感染症、
糖尿病性昏睡、低血糖、脳血管障害、
心筋梗塞、甲状腺の触診などが誘因になる
。抗甲状腺薬の中止も原因となる。
甲状腺機能低下症/貧血、悪
寒、皮膚の乾燥、まぶたや額
のむくみなど


体内での甲状腺ホルモン作用
が不十分な病態で通常ホルモ
ン不足が原因。まれに生体が
甲状腺ホルモンに反応できな
いっ甲状腺ホルモン不応症も
ある。受容体の異状のために
ホルモンの作用が阻害されて
いるため。

血中のホルモンレベルは正常
か高値であり、血中ホルモン
レベルの問題ではなく甲状腺
ホルモン作用効果によるもの



甲状腺機能低下症
(hypothyroidism)
甲状腺機能低下症/@甲状腺の障害(原発
性)A甲状腺を調節する下垂体や視床下
部の障害(中枢性)B末梢組織の障害
(甲状腺ホルモン不応症)により生じる。
大部分が原発性で慢性甲状腺炎によるも
のが殆どである。

甲状腺のホルモン量はフィードバック機構
で調節されているが視床下部や下垂体に
障害があり、甲状腺刺激ホルモン放出
ホルモン(TRH)、甲状腺刺激ホルモン(
TSH)が不足すると甲状腺ホルモンは低下す
る。(中枢性甲状腺機能低下症)

何らかの原因で出生時から強い甲状腺機能
低下があり、独特の顔貌、低身長、機能低
下を来たしたものはクレチン症と呼び、軽度のTSH上昇があるがT3T4は正常で臨床
症状の無いものを潜在性甲状腺機能低下症
と呼ぶ。


甲状腺機能低下症は大部分永続性であるが
、無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎で甲状
腺組織が一時的に破壊され甲状腺ホルモン
が漏出後、一過性に機能低下の状態となる
ケースもある。
バセドウ(Basedow)ドイツ人 
グレーブス(Graves)アイルランド人
TRH/甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
TSH;甲状腺刺激ホルモン/血液中のヨードを甲状腺に取り込み、これを酸化し、アミノ酸のチロシ
ンに結合させ有機化しT4、T3というホルモンにまで生成し、更に甲状腺の濾胞細胞から血中へ
T4、T3、チロブリンなどを放出する役割を果たす。TSHはTSH受容体を介して作用する。 
hCG;ヒト絨毛ゴナドトロピン 
甲状腺抗体;TPO抗体 TG抗体
T3;トリヨードチロニン/甲状腺でヨードを原料にして生成される 
T4;チロキシン/甲状腺でヨードを原料にして生成される

TRAb;TSH受容体抗体
甲状腺のホルモンレベル/視床下部ー下垂体ー甲状腺  視床下部からTRHが出て下垂体のTSHは甲
状腺に作用してT4、T3を合成分泌する。一方、過剰の血中T3はTRHとTSH分泌を強く抑制する。こ
の機構により血中甲状腺ホルモンが正常範囲に保たれる(ホメオスタシス)。
副腎皮質刺激ホルモ
副腎皮質から副腎皮質ホルモ
ンの分泌を促がす
クッシング症候群/中心性肥満、糖尿病、高
血圧など

副腎皮質機能低下症/食欲不振、下痢、吐き
気、低血糖、脱力感など

卵胞刺激ホルモン
黄体刺激ホルモ
卵巣から女性ホルモン、セ ス
から男性ホルモンの分泌を促
がす



サイロキシンなど
を分泌



甲状腺機能検査
甲状腺刺激ホルモ
ン(TSH)、遊離チ
ロキシン(FT4)、
遊離トリヨードチ
ロニン(FT3)、を
測定する。

甲状腺機能亢進症
はFT4、FT3が上昇
し、TSHが低下す
る。

原発性甲状腺機能
低下症はFT4、FT3
が低下し、TSHは上
昇する。

潜在性の場合は
TSHのみが異状とな
る。

下垂体視床下部
による機能異常が
疑われる時は下垂
体ホルモン検査や
TRH試験を追加す
る。


甲状腺疾患は自己
免疫の関与が多く、
バセドウ病の90
%以上の症例で
TSH受容体(TRAb)
が陽性となる。
代謝機能を正常に保つ、カル
シウム代謝を調節する
喉にある内分泌腺で代謝をコントロールする
ホルモンの分泌をしている。
過剰分泌/バセドウ病20〜40歳代に多い
、合併症注意



副甲状腺ホルモン
(PTH)


ホルモン検査
副甲状腺ホルモン(
PTH)は血清カルシウ
ムを上昇させるためカルシウム異状の原因を精査する事により測定される事が多い。

PTHが上昇すると高カルシウム血症、低リン血症を呈し、副甲状腺機能亢進症とされる。

高カルシウム血症な
どが確認されて、な
おかつPTHが低下し
ている場合は他の原
因(副甲状腺ホルモ
ン関連蛋白上昇、サ
イトカイン上昇、悪
性腫瘍の骨転移によ
る高カルシウム血症
など)が疑われる。

PTH低下で低カルシ
ウム血症、高リン血
症の場合は原発性副
甲状腺機能低下が疑
われる。
カルシウム代謝を調節する
副腎はミネラロ(ミネラル)コルチコイド
、グルコ(糖質)コルチコイド、副腎アン
ドロゲン(男性ホルモン)を合成分泌して
いる。代表的ステロイドはアルドステロン
、コルチゾール、デヒドロエピアンドロス
テロン(DHEA)である

副腎皮質機能亢進症

副腎皮質を形成する球状層(原発性アルド
ステロン症
二次性アルドステロン症
オキシコルチコステロン産生腫瘍
コルチコステロン産生腫瘍)、束状層(クッシング症候群)、網状層(副腎.症候群)からのホルモンの分泌が異状に増加した病態

副腎皮質機能低下症
何らかの原因によりホルモンの合成、分泌
が障害される副腎自体が原因の原発性(一
次性)と視床下部、下垂体の原因による続
発性(二次性に)に分類される。

副腎皮質/
アルドステロン
の分泌

検査
アルドステロンは
レニン-アンジオテ
ンシン系により調
節される。アルドステロンと同時にレニ
ン採血を実施。
原発性アルドステロ
ン症では低カリウム
性の高血圧が見ら
れ、レニンの上昇
などで高アルドス
テロン症を生じる
ものは続発性アル
ドステロン症と診
断される。
糖質代謝を調節する 腎臓の上にある臓器で副腎皮質
(外側)副腎髄質(内側)に分かれる。

副腎皮質機能亢進症
アルドステロン症/球状層に生じた腫瘍な
ど、副腎自体に何らかの異常があって生じ
原発性アルドステロン症(@片側or両側
の腺腫or癌腫から多量のアルドステロンが
分泌される、A片側or両側の副腎皮質の過
形成によるもの→グルココルチコイド奏効
性アルドステロン症{キメラ遺伝子が関係
して生じる}・特発性アルドステロン症)
二次性アルドステロン症(副腎外に何ら
かの原因によりアルドステロンの過剰分泌
による低カリウム血症、浮腫などの諸症状
を発症させる)に大別

腺腫、癌腫、特発性アルドステロン症の成
因は不明。

成因はともかくアルドステロンの過剰分泌
が遠位及び接合集合管に作用してナトリウ
ムイオン、カリウムイオン、水素イオンの
排泄を促進させ高血圧、低カリウム血症(
著しければ四肢麻痺、不整脈を起こす)、
代謝性アルカローシスを呈する。

副腎皮質/
コルチゾール

の分泌

検査
コルチゾールは日
内変動があり朝高
く夜低い。 スト
レスで上昇しホル
モン基礎値は朝食
前の午前中30分
以上安静臥床後に
検査を行う。
コルチゾールと同
時にACTHを採血す
る。
(コルチゾールは
ACTHにより調節さ
れる)

コルチゾール過剰
クッシング症候
と診断し、ACTH
が高い場合は下垂
体性 (クッシン
グ病
)又は異所性
ACTH産生腫瘍が疑
われる。

コルチゾール分泌
不全でACTHが上昇
している場合、原
発性副腎不全と診
断する。

一般生化学検査で
はしばしばカリウ
ム上昇、ナトリウ
ム低下が確認され
る。

急性の副腎不全(
副腎クリーゼ)は
治療が遅れれば死
に至る場合がある。
分泌亢進が続くとグルコースの利用を抑え
ると共に、肝臓でのグルコース産生を促進
し、血糖が上昇する。しかしグルカゴンや
アドレナリンの作用が速効性であるのに比
べ、効果発現までに時間が掛かる。


副腎皮質機能亢進症
クッシング症候群/副腎皮質束状層に生じ
た腺腫、癌腫、過形成によりグルココルチ
コイド(コルチゾール)の過剰分泌疾患で
クッシング病(間脳-下垂体系の異状で
CTH
が過剰産生され、それが副腎皮質束
状層を刺激してコルチゾールの過剰分泌か
ら中心性肥満、満月様顔貌、多毛、高血圧
、水牛肩、ザソウ、骨粗鬆症を来たす)と
クッシング症候群(副腎皮質束状層から発
生する腺腫、癌腫、原発性過形成、異所性
ACTH産生腫瘍{肺癌など}から束状層
刺激でコルチゾールが過剰分泌され、クッ
シング病と同様症状を来たす)がある。

その他の副腎皮質機能亢進症/
コルチコステロン産生腫瘍
/まれ
デオキシコルチコステロン産生腫瘍/まれ
アルドステロン症類似疾患/17α水酸化酵素欠損症、11β水酸化酵素欠損症、ACE(apparent
mineralocorticoid excess)症候群、偽性アルドステロン症
副腎.症候群/先天性副腎酵素欠損症により副腎アンドロゲンが過剰分泌され早熟症を呈したり
、逆にアンドロゲンの産生が障害され性未分化症候を呈する。その他副腎網状層などからアンド
ロゲンやエストロゲンを過剰に産生する腫瘍が生じ顕著な男性化、女性化を呈する事がある。

副腎皮質機能低下症/
アジソン病
急性副腎クリーゼ
選択的低アルドステロン症
副腎偶発腫瘍
副腎ステロイドホルモン合成障害
ACTH;副腎皮質刺激ホルモン
副腎髄質/
カテコールアミン
の分泌

検査
カテコールアミン濃
度は日内変動があり
日中活動時に高く夜
間睡眠時に低くスト
レスや運動で上昇す
る。(血中、尿中と
もにストレスや運動
、喫煙、カフェイン
、向精神薬、降圧剤
、の影響を受ける)
採血は30〜60分
安静臥位の後に実施

カテコールアミン濃
度は日常生活の活
動強度で変動する
ので蓄尿は3日間
行い、3回測定の
値を平均して求め
る。
血圧を上昇させる




(ホルモン検査の目的はドー
パミン、ノルアドレナリン、
アドレナリンなどのカテコー
ルアミンの産生・分泌の確認
性ステロイドホルモン産生調節

副腎髄質の異状
褐色細胞腫
副腎髄質/
アドレナリン(エ
ピネフィリン)
の分泌


検査
カテコールアミン
濃度は日内変動が
あり日中活動時に
高く夜間睡眠時に
低くストレスや運
動で上昇する。(
血中、尿中ともに
ストレスや運動、
喫煙、カフェイン、
向精神薬、降圧剤、
の影響を受ける)
採血は30〜60分
安静臥位の後に実施

カテコールアミン
濃度は日常生活の
活動強度で変動す
るので蓄尿は3日
間行い、3回測定
の値を平均して求
める。






(ホルモン検査の目的はドー
パミン、ノルアドレナリン、
アドレナリンなどのカテコー
ルアミンの産生・分泌の確認
。)
血糖値の低下により副腎髄質からアドレナ
リンが分泌され、肝臓での内因性グルコー
ス産生を高め、筋肉でのグルコース利用を
抑制し、速やかに血糖を上昇させる。アド
レナリンにはα2交感神経受容体を介して
インスリン分泌を抑制する作用があるが、
これも間接的に血糖の上昇に関与する。更
にアドレナリンは脂肪組織での脂肪分解
(lipolysis)、筋肉での解糖(glycolysis)
を亢進し、糖新生の材料(グリセロール、
乳酸、アラニン)を肝へ供給する。



副腎皮質の異状
神経芽細胞腫

血糖の恒常性(glucose homeostasis)
血糖の恒常性のため血中のグルコース濃度は一日を通して一定範囲内に維持されている。これはエネル
ギー源として体内で消費されるグルコース量と食事から摂られるグルコース量、体内でつくられるグル
コース量がバランスがとられることによる。グルコースは食物として摂取する糖質に由来するばかりで
なく、グルコースの貯蔵型であるグリコーゲンが分解されたり(glyco genolysis)、乳酸、アミノ酸
(アラニン、グルタミンなど)やグリセロールを材料にして作られる(糖新生/gluconeo genesis)。
「内因性グルコース産生;glyco genolysis
& gluconeo genesis」

一晩絶食後も血糖は一定レベルに保たれており、その消費される大部分(60%)は中枢神経系でエネ
ルギー源として使用されるが、筋肉は脂肪酸のβ酸化によって得られるエネルギーを利用する。空腹時
に利用されるグルコースは主に肝臓でグリコーゲン分解や糖新生によって生成される。肝臓には75g
のグリコーゲンが貯蔵されている。短期間の絶食ではグリコーゲン分解が主な供給源だが、長期間に
なると糖新生が主たる供給源になる。

◎低血糖の症状は自律神経症状と、中枢神経系の症状に基ずくものに大別される。一般に血糖値が50
〜55r/dlとなると症状が発現する。

自律神経失調症;副腎髄質、交感神経系、及び副交感神経系の活性化によって放出されるアドレナリ
ン、ノルアドレナリン、アセチルコリンによって引き起こされる症状である。アセチルコリンを介して
発汗、空腹感、痺れ感が、  カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)を介して震え、
動悸、不安感、心拍数の増加、収縮期圧の上昇が起こる。

中枢神経の症状;脱力感、思考が纏まらない、混乱、眠気、無気力、めまい、会話困難、物がはっき
り見えない、痙攣、昏睡など様々な症状がある。


糖新生;乳酸、ピルビン酸、アミノ酸、グリセロールから、グルコース6リン酸を経てグルコースに
変換される。

インスリン

検査
インスリノーマ
低血糖でもインスリ
ン分泌が抑制されな
い事が重要でインス
リン過剰分泌を立証
する刺激試験として
トルブタミド試験、
グルカゴン試験、な
どで高インスリン血
症を確認。
血糖値を下降させる 分泌異状/糖尿病
血糖値の上昇により膵B(β)細胞からの
分泌が増加する。肝臓からの内因性グルコ
ース産生は抑制され、肝臓はグルコース産
生臓器から→グルコースを血中から取り込
む臓器に変わる。インスリンは筋肉や脂肪
組織へのグルコース取り込みを促進する。
こうして血糖値は下がる。逆に血糖値が下
がりインスリン分泌が低下すると、肝臓で
のグルコース産生は高まり、筋肉や脂肪組
織へのグルコース取り込みは低下し、血糖
値は上昇する。
グルカゴン

検査
グルカノーマ
血中グルカゴン濃
度が高値で腫瘍性
を認め腫瘍内グル
カゴン濃度で診断
確定する。
血糖値を上昇させる 血糖値の低下により膵A(α)細胞からのグ
ルカゴン分泌が増加する。グルカゴンは肝
臓に作用し、グリコーゲン分解と糖新生を高
め、速やかに血糖値を上げる。
インスリン拮抗ホルモン/グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾール
血糖値が下がると生体の防衛反応としてまずインスリン分泌は低下し、次いでグルカゴンとアドレナリ
ンの分泌が増加する。拮抗ホルモンの中ではグルカゴンの役割が最も重要で、グルカゴン分泌が何らか
の理由で充分でない時にはアドレナリンの関与が重要となってくる。低血糖の予防、あるいは低血糖か
らの回復を図る上で成長ホルモンやコルチゾールの役割は少ないと考えられている。


レニン産生腫瘍/高レニン血症を調べるため血漿レニン活性や濃度の測定、その局在を確定するために
腎静脈血中のレニン濃度の検査、CT、MRI、超音波検査を実施する。

セクレチン
消化液の膵液の分泌を調節
胆嚢から胆汁を排泄させ、膵
液の分泌を促進
セクレチン(secretin)の最も生理的な
刺激は十二指腸内に塩酸が流入する事で
ある。セクレチンの生理作用として膵液
分泌促進作用がある。これは水分と重炭酸
塩の増加による。又、胆汁分泌も増加し、
十二指腸内のPHを中和させる。セクレチン
はガストリン刺激や食事刺激により引き
起こされた胃液分泌を抑制する。セクレ
チンは健常者では血中ガストリンを低下さ
せるが、ゾリンガー/エリソン症候群の場
合、セクレチンによるガストリン分泌の
抑制が認められず、診断に応用されている
。セクレチンは膵外分泌機能検査として
も用いられる。
コレシストキニン 胆嚢から胆汁を排泄させ、膵
液の分泌を促進
コレシストキニン(cholecystokinin/cck)
には胆嚢収縮作用、オッディ筋の弛緩作
用、膵酵素分泌促進作用がある。大量の
コレシストキニンはインスリン、グルカ
ゴンを分泌する。
コレシストキニンの血中濃度は空腹時で
20pg/ml以下で脂肪や蛋白質の摂取で分泌
促進される。
ガストリン 胃の収縮、胃酸の分泌を促進 ガストリン(gastrin)の産生細胞はG細胞
胃幽門前庭部に集中しており、一部
十二指腸にも分布している。胃酸分泌促
進が主作用である。ガストリン分泌は胃
液分泌と同じく脳相、胃相、腸相の3相
から調節されている。
ガストリンは食時刺激、特に食物中の蛋白
質により分泌促進を受け、胃内PHが低下
すると分泌が抑制される。ガストリン分泌
調節には迷走神経の関与が大きいが、交感
神経のβ受容体を介してガストリン分泌を
促進する。ソマトスタチンはガストリン分
泌を抑制する。
三大消化管ホルモン/ガストリン、セクレチン、コレシストキニン
脳・消化管ホルモン/ガストリン、コレシルトキニンといった消化管ホルモンが脳で認められたことから
脳・消化管ホルモンの概念が生まれた。

エリスロポイエチン
レニンなどの分泌
赤血球を成熟、小腸からのカ
ルシウム、リンの吸収促進、
血圧を上昇させる

心房性ナトリウム利尿ペプチド ナトリウムを尿に含めて排出
し、血圧を調節する

アンギオテンシノーゲン 血圧を上昇させる

アンドロゲン 男性.の発育、二次性徴の
発来、.の形成、造血など

エストロゲン
卵胞ホルモン
子宮内膜の増殖、子宮筋の発
育、乳腺の増殖など


エストロゲンの.外作用
中枢神経系
/ニューロンの成
長と生存・神経内分泌調節・
性行動や情動反応・脳細胞の
賦活化・脳血流の増加
/思春期における骨端線
閉鎖・骨吸収の抑制
血管/動脈硬化発症抑制作用
脂質代謝/LDLコレステロール
低下作用・HDLコレステロー
ル上昇作用
皮膚/角層水分量の維持・真
皮コラーゲン量の維持
凝固系/フィブリノゲン合成
促進・凝固能亢進
女性ホルモンとして生殖周期や女性の二次
性徴の発現に関与、卵巣や胎盤が主な産生
臓器、卵胞ですが脂肪組織など他臓器でも
産生される。卵胞期に産生される主要な
性ステロイドホルモンはエストロゲンで、
卵胞の発育に伴いその産生は劇的に増加す
る。卵胞でのエストロゲン産生は下垂体か
ら分泌されるFSHLHがそれぞれ卵胞の顆
粒膜細胞と莢膜細胞に作用する事により
調節される。

.外作用;卵巣から産生されるエス
トロゲンは女性の二次性徴や生殖機能に
必須のみならず、脂質代謝、血管、骨、
皮膚、中枢神経など多彩な臓器に作用を
及ぼす。卵巣からエストロゲンの産生
が無くなる閉経後や両側卵巣摘除後には
その欠乏により皮膚や膣粘膜の萎縮
動脈硬化症骨粗鬆症など様々な症状
が見られる様になる。


プロゲステロン
黄体ホルモン
妊娠維持、体温上昇、排卵抑
制、乳腺発達など
排卵後、卵胞を形成していた顆粒膜細胞と
莢膜細胞から黄体が形成される。黄体から
引き続きエストロゲンも産生されるがプロ
ゲステロンの産生が主体になる。プロゲス
テロンは子宮内膜に作用し、子宮内膜を
形態的にも機能的にも.卵の着床に適し
た状態に変化させる。黄体機能の維持には
下垂体からのLHの持続的な刺激が必要であ
る。妊娠しなければ黄体は14日で退縮し
、プロゲステロン産生は低下し月経が起こ
る。胚が子宮内膜に着床すると絨毛細胞か
ら人絨毛性ゴナドトロピン(HCG)が分泌さ
れ、その作用により妊娠9〜10週まで黄
体機能が維持されプロゲステロン産生機能
も維持される。
女性.(卵巣)の最も本質的な機能は子孫を残すという生殖(リプロダクション)機能であり、性
成熟女性の卵巣では卵胞野成熟、排卵、黄体の形成、退縮という過程が繰り返され、規則的な月経周
期が成立する。一見複雑な卵巣機能も、卵細胞を放出する機能(排卵)と性ステロイドホルモンを産
生する機能という2つの機能に集約できる。

性ステロイドホルモン/卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)で月経周
期に伴いその産生量は劇的に変化する。性ステロイドホルモンの最も重要な作用臓器は子宮であり、
子宮内膜を.卵の着床やその後の胚の生育に適した状態に変化させる。増殖期にはエストロゲンに
より、月経により剥脱した子宮内膜は再生を開始する。表層及び腺上皮細胞及び間質細胞は著明に分
裂し、内膜は厚く、腺はらせん状となる。排卵が起こり、黄体期になると黄体から産生されるプロゲ
ステロンとエストロゲンにより、腺はグリコーゲンの分泌を開始し、間質は浮腫状となるなど、着床
に適した状態になる。プロゲステロンの分泌は排卵後5〜7日目に最高となり、子宮内膜もこの時期
にもっとも妊卵を受け入れ易く、着床は起き易くなる。排卵期に増加するエストロゲンは子宮頸管腺
に作用して頸管粘液を分泌させる。

性ステロイドホルモンは血中から取り込まれたコレステロールから合成されます。コレステロールは
まず莢膜細胞に取り込まれ、そこでアンドロゲンに転換されます。この反応に必要な酵素は莢膜細胞
に存在するLH受容体に下垂体からのLHが作用する事により誘導される。莢膜細胞で産生されたアンド
ロゲンは顆粒膜細胞に存在FSH受容体が作用し誘導される。産生されたエストロゲンは顆粒膜細胞のFSH
受容体を更に誘導し、発育卵胞ではFSHに対する反応性が更に亢進することにより、顆粒膜細胞でのエ
ストロゲンの産生は加速度的に増加する。

FSH;卵胞刺激ホルモン LH;黄体化ホルモン




レプチン 抗肥満ホルモン 過栄養状態過の肥大した脂肪細胞から血中
に分泌される。中枢神経(視床下部)に存
在する受容体に直接結合し、食欲抑制シグ
ナルを脳に伝達。更に交感神経活動の亢進
を介してエネルギー消費を増大させ、肥満
の進展を制御する。
乳腺刺激ホルモンプロラクチン)低下/乳汁分泌不全「産後の乳汁分泌の欠落」
過剰/プロラクチン過剰症「無月経、異状乳汁分泌、不 妊、脳下垂体腫瘍、視床下部病変による頭痛

抗利尿ホルモン低下/
尿崩症「尿量が異状に笛、口が渇き、多飲になる」
過剰/
利尿ホルモン分泌異状症「低ナトリウム血症のため、痙攣、意識障害が発現」
頸管粘液/頸管粘液には膣内にセ スされた.が子宮内に上行するのを助ける作用がある。

                                                   
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